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Croissant Island Presents

ナガレモエビ

体の長さ 7ミリ

 我々が生業としているダイビングガイドという仕事は、つまり「海中を案内する」ということである。
 だから、このポイントはこういった地形でどこそこにこんな生き物がいる、ということを把握してお客様をご案内する。けれどもいかんせん自然相手なものだから、本来いるはずのものがいなかったりすることもあり、潜る前にブリーフィングで声高らかに言ってしまったあと海中で冷や汗をかく、ということもしばしばである。

 それとは逆に、うれしい偶然もある。水納島は大物狙いで潜る海ではないにもかかわらず、ウシバナトビエイ13枚の群れが出たこともある。こんな時は一緒に潜っているお客さんよりも喜んでしまう。

 さて、写真のナガレモエビ、撮った時は知らなかったのだが図鑑によるとサンゴ礁ではサボテングサの周囲で見られるらしい。海藻の周囲は何かいそうで、普段から何か珍しいエビがいないかとたいていゴソゴソ探しているのだが、このエビには出会ったことがなかった。
 それが、藻場でもなんでもなく、たまたまひっくり返したナマコの体表にいたのだ。私にとっては突如ウシバナトビエイが13枚現れるのと同じくらいのヨロコビである。

 随分前のことなので、砂地にいたこのナマコの周りに海藻があったかどうかもう覚えていないものの、このエビの色からして本来は藻場のようなところにいるんだろうなあ、と思った記憶がある。このエビの名からすると、しょっちゅうフラフラしていそうなモエビの仲間ということだろうから、きっとたまたまフラリと訪れた先がナマコだったのだろう。

 それまで「ウソだ、こんなところにこいつがいるわけない」というような水中写真を目にするたびに「こいつはヤラセだ」と即断定していたけれど、この突然のナガレモエビとの出会い以来、そのような写真を見ても勝手に決めつけずに素直にうらやましがろうとつとめているのであった。

 


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