このコーナーをふとふりかえると、驚いたことに当初は「です、ます」調で書いていた。今さら軌道修正するのも変なので、今後はこのまま「である」調でいく。
さて、水納島はご存知のとおり砂地のポイントが多い。
砂地には根と呼ばれる岩が大小いくつも点在していて、そこが砂漠のオアシスのように、魚たちが群れ集う場所となっている。
自然、ダイバーはそういった根を巡ることになるのだが、中にはその途中の、一見ただ茫漠たる砂砂砂しかない世界をじっくり徘徊する人もいる。
変人である。
そんな方がきっと目にするであろう不思議なものの一つが、写真の海底噴火だ。
海底噴火といっても、まさか本当に噴火しているわけではない。舞い上がっている砂煙は、せいぜい高さ10センチくらい。写真ではわかりにくいけれど、噴出した砂が塚を形成していて、子供の頃によくやった棒倒し遊びの砂山くらいのサイズになっている。
初めてこの砂の噴出を見たときは、海底温泉でも湧き出しているのかと色めきたった。しかし、見ていると、ずーっと噴出し続けているわけではなく、大地の息吹のように定期的な間隔があり、それも5、6回噴出したかと思うと休眠してしまう。
はて、コイツはいったい……?
ふとあたりを見回すと、わりとたくさんこの塚があることに気づく。そして場合によっては、あちこちで砂が噴出しているのだ。
これはきっと中にナニモノかがいるに違いない!!
でも……。
砂をほじくりかえして、バタリアン的とんでもないものが出てきてしまったらどうしよう…。触れてはならないものだったらどうしよう…。
「取り返しのつかないことをしてしまった……」
などと、ララァを殺したアムロのようなセリフは吐きたくない。
そんなわけで、今に至るまでまだその正体をつきとめていない。
それでは、世に星の数ほど出ている図鑑で調べてみるか……。
が。
こういう場合、とっても困ってしまう。
ひょっとすると図鑑には、この生物自体はちゃんと載っているのかもしれない。でも、その生物が営んでいるこの海底噴火まで紹介してくれているかどうかがモンダイなのだ。手元にある図鑑を見る限りでは、該当者がまったくない。ギボシムシのウンチを載せている図鑑にさえ載っていなかった…。
いろいろ調べてみた限りでは、干潟で見られるスナモグリというシャコに似た甲殻類の巣穴にそっくりであることがわかった。環境がまったく違うのではたして本当にスナモグリと関係があるのかどうかはわからないけど、とりあえず本稿ではスナモグリ類に重要参考人として任意同行を求める次第である。